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「人が怖い」という悩みを持ったある人は、幼い頃自分を怒鳴っていた父親が、子どもの頃同じように怒鳴られて育っていたことを思い出しました。
そして、父親の中にある「どうせ俺のことは誰も分かってくれない」という気持ちが暴走して被害妄想的になり、幼い自分に怒鳴っていたことに気づきました。
あんなにも分かり合えないと思っていた父親が自分と同じように人が怖く、その苦しみを伝えるために怒鳴っていたという事実は、その人にとって大きな発見でした。
お父さんは、怒鳴っている間自分がどれだけ怖いかに気づいていないだけで、「人が怖い」という心の傷が本当は痛くて痛くてたまらないんだ。
その時初めて、その人はずっと自分が弱者でお父さんが強者のように感じていたのが、実はずっと対等だったと気づきました。
父親の中に自分自身の一部を見つけたその人は、それから職場で人と接する時、「相手も実は人が怖いのかもしれない」と思いながら話すと、もう相手の言葉の全てが正しいとは思わなくなりました。
落ち着いて話を聞いて、自分が何を感じているか考える余裕が生まれたからです。
落ち着いて話を聞いていると、相手の言っていることが途中で抜けてしまうことがありません。
そして感じたことを素直に伝えてみると、相手が自分の意見に耳を傾けてくれていることに気づきます。
少し前の自分だと怒鳴られるとビクビクしていたので相手の反応に拍子抜けしましたが、その人はまた落ち着いて話を聞いて、自分の考えを素直に話し、淡々と会話を続けることができました。
そして、自分のビクビクしている反応が、相手の「人が怖い」という影を刺激し、相手の高圧的な反応を引き出しているのだと気づきました。
その人はたくさんの人と自由に話に花を咲かせ、自分の世界が広がっていくのを感じました。
本来の自分らしく会話を広げられるようになったその人は、もう人が怖くありません。
だって、私の本心はとても価値があることに気づいたから。
(人が怖い 終わり)
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