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誰かと通じ合うためのコミュニケーションは自分を主語に置く伝え方だと書きましたが、自分を主語に置く伝え方って、つまり会話の主軸を自分の心に置くことです。
自分の心を主軸に置いたコミュニケーションって奥が深い。
私は気を抜くとすぐに相手の心を主軸に話をしてしまいます。
例えば、「私はあなたがこうなればいいのにと思う!」というのは、一見自分が主語だから問題ないように聞こえます。
でも、これは相手に変わることを期待していて、相手の心を軸にものを考えていることになる。
一方で自分を軸にした場合、なぜ相手の行動にざわついたのかを掘り下げる必要があります。
ざわついた部分に痛みが隠れていて、その痛みと向き合わないといけません。
そう、相手の心を軸にして言葉を伝える方が楽だし、痛くないんです。
でも、それだと言葉を発する瞬間は楽できても、相手は変わらないのでまた一生懸命相手のことを考える日々を繰り返し、相手の行動にざわついたままで、自分の心の傷をずっと刺激し続けることになる。
自分の心を主軸にしたコミュニケーションだと、自分が何を感じているかを余計なホルモンを通さずに伝えられるので、
相手はこちらが何を考えているかを理解しやすく、意外と受け入れてもらえるんです(本心を話して受け入れてもらえない人はこちらからお断り!)。
面白いのは、自分の心を見れば見るほど、周りの環境が整っていくこと。
相手のことを一生懸命考えれば考えるほど、その考えた分、費やしたエネルギーの分だけ相手の重荷となり、相手の顔がどんどん歪んでいく。
そして、こんなにあなたを思っているのに、どうして分かってくれないのよ!とさらに泣く羽目になってしまう。
でも、自分の心を主軸に置くと、「ああ、あなたはこう感じていたのね」と受け入れてもらえたり、あんなにざわついていたことがスルーできるようになったりして、自分の心地よい環境が整っていく。
自分が心地よい環境が出来上がると、相手の言い分を聞く準備が整います。
自分の心に余裕ができて、余計な口出しをせずに話が聞けるようになる。
余計な口出しをされなかったら、相手は安心して、今まで隠さずにはいられなかった本心を話せるかもしれません。
そう、相手を幸せにしたいのなら、まず自分が幸せになればいいんです。
自分が幸せになるというのは、誰かに幸せにしてもらうのではなく、自分が自分を幸せにしてあげるということ。
すれ違いを解く鍵は、自分の心地よさを追求することにあります。
(終わり)
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