前回までのすれ違いシリーズでは、自分の心を主軸にしたコミュニケーションで相手と通じ合う、ということを書きました。
自分の心を主軸にしたコミュニケーションは、相手の言動に対して何かを言いたくなった時、「私は〇〇と感じる」というふうに、自分の純度100%の本心を伝える方法です。
素直に伝えることになるので、相手も素直に受け止めやすいです。
ですが、伝えたいことが相手に伝わりやすい一方で、自分の心の痛みを見なければならないため、心の傷が深いほど辛い作業になるというデメリットがあります。
そう、心がざわつくほどそこに心の傷が隠れている。
大嶋先生がよく教えてくれるお話で、「ドット以外に無意識が宿る」という話があります。
ホワイトボードに書いたドット(・、黒い点)が意識で、それ以外が無意識という話。
ドットにハマってしまうと、それ以外の世界が見えなくなっていしまいます。
(ハマる=嵌る。穴のような部分に落ちて入り込むこと。)
”意識”はドット(点)だから見える世界がものすごく狭くなってしまい、認識できる情報がものすごく限定され、意識で書き込んだ「批判されている」とか「嫌われる」を裏付ける情報だけに注目するようになる。
大嶋信頼先生著『無意識さんの力で無敵に生きる-思い込みを捨て、自由自在の人生を手に入れる方法-』p.214より
つまり、相手の行動や言動で「ムカつく〜〜!」となっている時は、ドットにハマってしまっている。
ドットにハマればハマるほど、それ以外の世界が見えなくなって、相手と通じ合う経験をすることが難しくなります。
そして、自分がハマりやすいドットには、心の傷が隠れている可能性があります。
他の言葉なら平気だけど、ある言葉を言われたら怒りが湧く、という経験をしたことがあるかもしれません。
その言葉には、心の傷が条件付けされているから、心がざわついてしまうのです。
そして、ドットに深くハマってしまうほど、自力で抜け出すのが困難に感じるかもしれません。
痛みと向き合うというのは、麻酔せずにメスを入れるようなもので、抵抗が起きるのは当然で時間がかかります。
そこで、催眠を使ったアプローチが効果的で、催眠が麻酔のような緩和剤になってくれるんです。
FAP療法は催眠を使ってデザインされた心理療法なのですが、本当によくできた治療法で、自力でなんとかしようともがいているだけでは難しかったトラウマが統合されていきます。
次回以降のブログでは、私が体験したFAP療法についてご紹介していこうと思います。
ただし、治療者としてもクライアントとしても、たくさんのFAP療法のセッションにご縁がありましたが、FAP療法の魅力の核となる部分をお伝えしつつ、個人が特定されないようケースを加工しながらのご紹介になることをあらかじめ断っておきます。
FAP療法で本来の自分になっていく過程をお楽しみください。
(つづく)
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