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私は昔から、自分の生き苦しさに対して「なぜこうなった?」と考えることが好きでした。
この苦しさはどこから来ている?と考えて、過去に答えを求めていた。
19歳の時、私が友達を傷つけてしまうのはなぜだろう?と真剣に考えたことがありました。
毎晩寝ずに考えた結果、幼い頃からあまり私の気持ちを大事にしてもらったことがないからだと気づいた。
自分の気持ちを大事にしてもらったことがないのに、誰かの気持ちを大切にすることはできない。
じゃあ親が悪いのか?とまた一生懸命考えたけど、親もまた、その両親に大事にしてもらっていなかった。
じゃあ、おじいちゃんおばあちゃんは?と考えたら、その時代背景から、大切にしてもらっていないことが予想されました。
そして時は流れ、働けないと訴えたトラウマ治療で、先祖との繋がりを感じ、その治療の3日後から働けるようになった経験から、先祖のトラウマが現代を生きる私の人生に影響を及ぼしていると、確信を持ちました。
もし先祖が何代も何代も、時代や出会う人たちの顔を変えながらトラウマを繰り返してきたとするなら、私が生きづらさから脱するには、この負のループから抜けなければいけない。
そう考えるようになったんです。
そして、その家系のトラウマについて研究している人がいることを知りました。
1988年に発売された『The Ancestor Syndrome』(訳:ご先祖さま症候群、英語版は1998年)という本では、先祖が経験した出来事やトラウマが私たちの人生に降りかかることを、仕方なく受け入れるしかないことが明らかにされています。
そして、著者のクライアントさんが、自分の人生と先祖の人生との類似点を発見して理解することで、一見理にかなわない恐怖、心理的・身体的困難を克服した様子が示されています。
そう、一見理にかなわない、という言葉がしっくりくるくらい、私は自分の苦しみが、割りに合ってないと感じてきた。
例えば「初めての人が怖い」という悩みも、職場でただ来られたお客さんに「いらっしゃいませ」というだけなのに、まともに向き合ったら意識を失いそうな、信じられないくらいの恐怖を感じていました。
でもこれが、もし先祖が経験した戦争や差別、迫害のトラウマが背後に隠れているとしたら、大いに納得ができるんです。
そして、私はFAP療法の治療の中で、先祖の経験との繋がりに気づいた結果、初めての人が怖いという恐怖を克服し、3日後に働けるようになった。
この本はとても面白い本なのに、なんと日本語訳が出版されていない。
そこでFAP療法体験記の次のテーマとして、この『The Ancestor Syndrome(ご先祖さま症候群)』の内容を紹介しながら、先祖のトラウマとの繋がりについて書きたいと思います。
(つづく)
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