3/30 「家族の一員となった養子の病気」 Blog

子供を通して自分自身が癒される

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前回まで、先祖のトラウマを知らないうちに受け継ぎ、同じ体験をしてしまうことについて書きました。

先祖のトラウマを引き継いでいると、得体の知れない恐怖感や不安感などに悩まされることになります。

初めての人が怖い」という私の体験のように、自分の中に思い当たる原体験がなかったとしても、先祖のトラウマを引き継いで知らずしらずのうちに先祖の人生を追体験してしまいます。

母親が心の傷をつくったのと同じ年齢で、自分も同じ類の心の傷をつくってしまうこともあります。

ではもう少し認識しやすい幼少期の心の傷、家庭のトラウマは、どのようにして親子間で繰り返されていくのでしょうか?

今日は先祖のトラウマを少し違う観点から考察したいと思います。

大嶋先生はYouTubeの中で、親子間で繰り返されるトラウマを、次のように語っています。

お子さんがある年齢になったらお母さんが急に精神状態が不安定になった。
それは、その年齢の頃にお母さんが不快なことを体験したということが子供を通じてわかるわけです。

YouTube(Insight Counseling Corp.)『大嶋信頼 無意識の旅〈ダメ出しをしているときは心の傷が癒されるチャンス〉』より

子育てにおいて、親が心の傷を作った年齢に子供が達した場合、親の心の傷が刺激されて、子供との心の交流が難しくなってしまいます。

子供は親に、必要な時に親の心の全てを集中させて話を聞いてもらったり、気にかけてもらったりすることで、愛されているという実感を得られます。

だけど、親が子供を見て心の傷が想起される時、痛みを見たくないあまり、心の全てを子供に集中させることが難しくなってしまう。

そうすると、子供の訴えを適当にあしらったり、その場しのぎでお菓子を与えたり、うるさい!と言って黙らせたり、その反応は親の心の傷によって様々ですが、子供の心を「見ないフリ」した行動をしてしまいます。

「私にはこんなトラウマがあるから」と、はっきりと言葉にして伝えなくても、母親の痛みがミラーニューロンで子供に伝わって、そのコピーを子供に渡してしまうのです。

そして、親が心の傷を作った年齢で、子供も同じ心の傷を作ってしまう。

これが負の連鎖となって、『ご先祖さま症候群』の本のケースのように、記念日症候群になる可能性があるのでは、と感じています。

子供の年齢で親の心の傷が呼び起こされる例としては、『だれかに、話を聞いてもらったほうがいいんじゃない?―セラピーに通うセラピストと、彼女の4人の患者に起きたこと』という本の中で、6歳の時に母親を亡くした男性が、6歳の息子を事故で亡くすケースが書かれています。

このケースの男性は、母親が車の事故で亡くなった原因を、6歳の時に自分のせいだと思い込んでしまいました
(実際は、男性のせいではありませんでした)。

そして、「家族のため」という名目で、忙しい業界に勤めて仕事に打ち込んだり、生きづらさを感じてセラピーに通っているのに、カウンセリングの場で出前を頼んで食べ始めたりするなど、好き勝手をして心の傷を見ないようにしてきました。

そして、家族との休暇でのドライブ中、仕事かもしれない電話に出るか出ないかで妻とケンカし、電話に手を伸ばした瞬間に突っ込んできた車が原因で、6歳の息子を亡くしてしまいました。

ここで、この男性は6歳の時に母を亡くした心の傷に直面することになります。

原因は飲酒運転の運転手にありましたが、「あの時携帯に手を伸ばしていなければ」と、自分のせいで息子が死んだという罪悪感で苦しんでしまいます。

結局、彼は6歳の時に作った「自分のせいで家族が死んだ」という心の傷を、当時の自分と同じ年齢になった息子の事故で、開けることになってしまったのです。

では、この心の傷の繰り返しから抜け出すにはどうしたらいいのでしょうか?

大嶋先生は動画の中で、「トラウマを癒すには自分がかけて欲しかった優しい言葉をかけてあげる」と言っています。

優しい言葉とは、「よくやってきたね、よく頑張ってきたね。そのままのあなたでいいよ。」など。

「自分の子供を通じて自分のトラウマを知り、自分自身がそれを通して癒されることをやってあげるといい」とのこと。

自分の心が本当はやって欲しかったことをやるというのは、自分の痛みを見るということなので、時には抵抗が生まれることもありますが、それはいつだって心の傷を癒すチャンスなのです。

心の傷が癒されると、自分自身が生きやすくなるのはもちろん、子供に辛く当たらなくても、心の安定を保つことができるので、自分よりも下の代に心の傷を引き継ぐこともなくなります。

(もちろんこれは、子供だけでなく、対人関係において自分の心の傷が疼いた時にも応用できます。

「自分がやって欲しかったことをやってあげる」という観点において、ペットや後輩や部下など、目下の人との関係では、自分のトラウマをこれまでとは別の角度から見ることができます。)

そう、たとえ自分も親から傷つけられたとしても、自分のトラウマを知り、癒されることで、負のサイクルから抜け出すことが可能なのです。

(つづく)

<参考>

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この記事を書いた人

心理系に興味があったものの情報系の道に進み、やっぱりカウンセラーが諦められなくて転身。

このHPを作りました。
インターネットワークも脳のネットワークも得意。なんちゃって。

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