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心の檻から外に出るには、脳梁の接続を太くすることが効果的なのではと思っています。
脳梁とは、直感的・感覚的な処理をする右脳と、言語的・分析的な処理をする左脳を繋いでいる神経の太い束のこと。
脳梁がきちんと接続されていると、右脳の情報を左脳が使えるようになり、右脳で感じたりひらめいたことを左脳で言葉にしたり、計画に落とし込んだりしやすくなります。
すると、「これをやろう!」と思ったときに、迷わず行動に移せるようになる。

だけどもし、脳梁がうまく働いていないと、ふたつの脳の情報は断絶されてしまい、左脳が足を引っ張って、無駄なことをしてしまったり、「頭で考えるばかりで行動に移せない!」となってしまう。
例えば前回のブログで書いた本をたくさん買ってしまうような場面で、右脳と左脳ではどのようなことになっているか、ここでは大胆に「右脳さん」「左脳くん」と名前をつけて会話をさせたら、こんなことを話している気がします。
「どうしよう、とても不安…」と言う右脳さんに対して、左脳くんが「じゃあ、この状況を打破するために、本を買って勉強しよう」と提案し、本を買う。
「不安が止まらないの!!」と訴える右脳さんに、左脳くんは「だから本買ったじゃん!これ読めばいいんだよ!」とダメ出しをする。
山積みになった本を前に、右脳さんは「私はこの状況をなんとかしてほしいの!!」と怒り、左脳くんは「だから!本買ってやっただろ!いい加減読めよ!!」と怒鳴り返す。
だけど右脳さんの不安は収まらず、せっかく右脳さんのために考えたことを否定された左脳くんの機嫌は悪くなり、ふたりの仲はどんどん悪くなるばかり。
こうして怒りのあまり泣きじゃくり、自分の殻に引きこもる右脳さんと、そんな右脳さんの気持ちがわからない左脳くん、というのが、お決まりのパターンです。
右脳さんは共感してほしいだけだけど、脳梁がつながっていないので、左脳くんはその気持ちを受け取れず、なんとか自分の力で解決しようとし、空回ってしまう。
こういう会話は、よく聞いたことがあるかもしれません。
そう、まるで頭の中でお父さんとお母さんが喧嘩をしているみたい。

親の喧嘩を見てきた子どもの立場からすると、お母さんの味方をすると自分もお父さんに怒られてしまうし、お父さんの肩を持つとお母さんが悲しんでしまうので、何もできない。
無駄なことばかりしてやろうと思ったことができない時は、通じ合えない両親の会話を頭の中で再現している、と考えると面白い。
心の檻の正体とは、自分の中にある「通じ合えない対話」だったのです。
ひとりの頭の中に別々で考える(感じる)人間がふたりもいるのですから、そりゃ、自分の意思で動けなくなるわけですよね。
脳梁の働きが正常に戻ると、右脳さんが「不安だな…」と感じたときは、左脳くんがその声をちゃんと受け止めて、「そっか、今は不安なんだね。安心するためにはどうしたい?」と、優しく問いかけられるようになります。
そうすると、今まで左脳くんが聞き取れなかった、「温かいお風呂に入って、ゆっくり音楽でも聴きたいな」という声が聞こえてくるかもしれません。
右脳さんの不安が落ち着くと、直感や感覚がクリアになり、左脳くんがそれを言語化(具体化)できるようになります。
すると、どんどんやりたいことが明確になり、自分が次にとるべき行動が見えていきます。
そして、自分の人生を喜びを持って、好きなように生きることができるようになる。
心の檻から脱出し、本来の美しい自分の姿に戻るには、やはり脳梁を繋ぐことがキーとなるのでは?と思うんです。
(つづく)
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