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ある人はお金がないから稼げるようになりたくて、お金のブロックを外すためにカウンセラーの元にやってきたのに、お金の使い過ぎが過去の心の傷が原因だと言われました。
それだけでも予想外だったのに、そのお金の使いすぎはお父さんの嫉妬によるものだと言われ、驚きを隠せない様子でした。
「先生、どういうことですか?
私は勉強ができなかったり、社会のことを知らなくて父親に叱られていたんですよ。
それなのに嫉妬って、そんなはずありません。
嫉妬は才能ある人が受けるものでしょう?」
「いいえ。あなたはとても賢いです。
才能は、自分より下の立場の人が、自分より優れたものを持っている時に起こるんです。
嫉妬は攻撃なので、嫉妬された人は才能を潰されてしまうんです。
本人も嫉妬されないように無意識に才能を隠そうとするので、才能があることに気づかないだけなんですよ」
本当に?という顔をして、その人はカウンセラーの話を聞いていました。
「先生、私が賢いなんて、いつも賢くなりたいなと思って頑張ってきたので信じられないですが、今日は原因がわかってとても解放された気分です。
稼ぎたいという気持ちばかりに注目して心の傷を見ないふりするんじゃなくて、今やらなきゃいけないと思っている本や講座を一度整理してみようと思います。
ありがとうございました!」
カウンセリング終了の時間が来て、その人は真っ赤な目をしながら、だけどとても素敵な笑顔で別れを告げました。
そこが賢いところなんだよなあ、とカウンセラーは思います。
嫉妬は、本来の自分でいられなくする支配でもあるから、執着しているのが学びであるなら、賢さに嫉妬されたということ。
嫉妬から解放されれば、この人はきっと自分には思いもよらなかった世界で自分の賢さを知ることになるだろう。
カウンセラーはその人との次回の面接がとても楽しみになっていました。
(つづく)
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