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「怖い人」の目の奥には

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「人が怖い」という悩みを持ったある人は、幼い頃父親に怒鳴られた心の傷が癒えていないから、今も人が怖いんだということに気づきました。

自分と対面している相手が、父親のようにいきなり怒ってもダメージを受けないように、身体中をこわばらせて構えていることが分かりました。

「私は何を感じていたのだろう?」と思ってみると、「怖い」ということ以外に浮かんできません。

だって、「私の本心は伝える価値がない」から。

浮かんでくるたくさんの言い訳や言い分があったけど、それを伝えて相手を余計怒らせて怒鳴られる時間を長くしたくないので、自分の全ての神経を相手の怒りが収まることに集中させていました。

そうしているうちに、自分が何を感じているかよく分からなくなってしまいました。

お父さんは一生私の気持ちなんて分かることはないんだろうな。

そんな諦めに似た感情が湧いてきた時、その人はふと昔母親が言っていたある言葉を思い出します。

「お父さんは、いつもおじいちゃんに怒鳴られて育ったそうよ」

え?じゃあお父さんも、私と同じように幼い頃に怖い思いをしてきたということ?

身体中を緊張させないと耐えられないあの感じや、理不尽に怒鳴られることへの怒り、分かってもらえない悲しみを、お父さんも経験していたということ?

その時その人は、かつて幼い子供だった、自分の知らない父親の姿を見つけた気がしたのです。

お父さんが私に怒鳴っていたのは、自分のことが分かってもらえない苦しみからだったのかもしれない。

お父さんは根本的に誰にも分かってもらえない苦しみを持っているから、幼い私にも被害妄想的になって「どうせ俺のこと分からないだろ!!」と、その苦しみをぶつけていたのかもしれない。

私が悪いのではなくて、お父さんの中にある苦しみが暴走していたんだ。

その人はもう一度自分の記憶に思いを馳せてみると、かつて自分を怒鳴った父親の目の奥に、怯えて苦しんでいる幼い子供を見つけました。

それは幼い頃の父親であり、幼い頃の自分自身の姿でした。

(つづく)

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この記事を書いた人

心理系に興味があったものの情報系の道に進み、やっぱりカウンセラーが諦められなくて転身。

このHPを作りました。
インターネットワークも脳のネットワークも得意。なんちゃって。

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